インタプリタを起動する
Python が使用可能な環境では、インタプリタは一般的に /usr/local/bin/python3.12
にインストールされています。使用している Unix シェルの検索パスに /usr/local/bin
を追加すると、次のコマンドでインタプリタを開始できます。
python
ファイル終端文字 (Unixでは Control-D 、DOS や Windows では Control-Z) を一次プロンプト (訳注: ‘>>>’ のこと) に入力すると、インタプリタが終了ステータス 0 で終了します。もしこの操作がうまく働かないなら、コマンド: quit()
と入力すればインタプリタを終了できます。
インタプリタは Unix シェルと同じように使えます。標準入力が端末に接続された状態では、コマンドを対話的に読み込んで実行します。ファイル名を引数に指定するか、python3 < filename
のように標準入力ファイルとして指定すると、インタプリタはファイルから スクリプト を読み込んで実行します。
インタプリタを python -c command [arg] ...
のように起動する方法もあります。この形式では、シェルの -c
オプションと同じように、 command に指定した文を実行します。 Python 文には、スペースなどのシェルにとって特殊な意味をもつ文字がしばしば含まれるので、 command 全体をクォート(訳注: '
)で囲っておいたほうが良いでしょう。
Python のモジュールには、スクリプトとしても便利に使えるものがあります。 python -m module [arg] ...
のように起動すると、 module のソースファイルを、フルパスを指定して起動したかのように実行できます。
スクリプトファイルを使用する場合、スクリプトの実行が完了した後、そのまま対話モードに入れると便利なことがあります。これには -i
をスクリプト名の前に追加します。
引数の受け渡し
スクリプト名と引数を指定してインタプリタを起動した場合、スクリプト名やスクリプト名以後に指定した引数は、文字列のリストに変換されて sys
モジュールの argv
変数に格納されます。 import sys
とすることでこのリストにアクセスできます。 sys.argv
には少なくとも一つ要素が入っています。スクリプト名も引数も指定しなければ、 sys.argv[0]
は空の文字列になります。 スクリプト名の代わりに '-'
(標準入力を意味します) を指定すると、 sys.argv[0]
は '-'
になります。 -c
command を使うと、 sys.argv[0]
は '-c'
になります。 -m
module を使った場合、 sys.argv[0]
はモジュールのフルパスになります。 Python インタープリタは、-c
command や -m
module の後ろに指定したオプションは無視します。無視された引数は、sys.argv
を使って command や module から参照できます。
import sys
sys.argv[0]
'C:\\anaconda3\\envs\\python\\Lib\\site-packages\\ipykernel_launcher.py'
対話モード
インタプリタが命令を端末 (tty) やコマンドプロンプトから読み取っている場合、インタプリタは 対話モード (interactive mode) で動作しているといいます。 このモードでは、インタプリタは 一次プロンプト (primary prompt) を表示して、ユーザにコマンドを入力するよう促します。一次プロンプトは普通、三つの「大なり記号」 (>>>
) です。継続行では、インタプリタは 二次プロンプト (secondary prompt) を表示します。二次プロンプトは、デフォルトでは三つのドット (...
) です。 インタプリタは、最初のプロンプトを出す前にバージョン番号と著作権表示から始まる起動メッセージを出力します。
C:\>python
Python 3.12.1 (tags/v3.12.1:2305ca5, Dec 7 2023, 22:03:25) [MSC v.1937 64 bit (AMD64)] on win32
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>>
二次プロンプト
>>> if the_test_is_true:
... print("Test!")
インタプリタとその環境
ソースコードの文字コード
デフォルトでは、Python のソースコードは UTF-8 でエンコードされているものとして扱われます。UTF-8 では、世界中のほとんどの言語の文字を、同時に文字列リテラル、識別子、コメントなどに書けます。— ただし、標準ライブラリは識別子に ASCII 文字のみを利用していて、その他のポータブルなコードもその慣習に従うべきです。それらの文字を正しく表示するためには、エディターはそのファイルが UTF-8 である事を識別して、そのファイルに含まれている文字を全てサポートしたフォントを使わなければなりません。
デフォルトエンコーディング以外のエンコーディングを使用するには、ファイルの 先頭 の行に特別なコメントを追加しなければなりません。書式は以下の通りです。
# -*- coding: encoding -*-
encoding には、Python が codecs
でサポートしている有効なエンコーディングを指定します。
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